内科Internal medicine
心臓から送り出される血液の圧力が高くなり、血管に強い負担がかかっている状態です。
血管の弾力が失われ、血管壁がもろくなる動脈硬化とも深く関係しており、血圧が高い状態を放置していると、動脈硬化が進み、脳卒中や心疾患、慢性腎不全などの重篤な病気につながります。
正常域 | 受診が必要 | すぐに治療が必要 | |
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収縮期血圧 | 130 mmHg 未満 | 140 mmHg 以上 | 160 mmHg 以上 |
拡張期血圧 | 80 mmHg 未満 | 90 mmHg 以上 | 100 mmHg 以上 |
高血圧はサイレントキラーと言われ、自覚症状がないままに徐々に体に悪影響を及ぼします。
「まだ大丈夫」とは思わず、手遅れにならないうちに早めの血圧管理をしていくことをおすすめします。
※手首式よりも上腕で測るタイプをおすすめします
動脈硬化とは、文字通り「動脈が硬くなる」ことです。動脈が硬くなると、血管のしなやかさが失われるため、血液をうまく送り出せず心臓に負担をかけてしまいます。また、動脈が硬くなると血管の内側がもろくなって粥腫(じゅくしゅ)ができ、血管内が狭くなったり詰まったりします。ちょうど古い水道管が汚れて詰まったり、サビて壊れるのと同じ状態です。
当院ではABI検査で、動脈硬化による狭窄や閉塞の診断を補助します。両腕、両足首に血圧計を巻く簡単な検査です。
動脈硬化を食い止めるには、生活習慣の見直しと基礎疾患の治療が大切です。
高血圧、高血糖、血中脂質異常など指摘されたことがある方、動脈硬化が気になる方は、ぜひ一度内科へご相談ください。
血糖は、血液中に含まれるブドウ糖のことを指します。血糖値は、健康な人でも、食事をとるたびに上がります。良くないのは、「血糖値が高い状態が続く」ことです。
通常、食事などによって血糖値があがると、ただちに膵臓からインスリンというホルモンが分泌されます。このインスリンの働きにより、血中にある余分なブドウ糖が肝臓・筋肉・脂肪などへ分配され、すみやかに血糖値が下がっていきます。
しかし、血糖が増えすぎて高血糖の状態が続くと、インスリンの機能が低下して血糖をコントロールできなくなります。この状態を放置していると、「糖尿病」へと進行していきます。血糖のコントロールは、炭水化物を取らなかったり、食事を抜くだけでは解決しません。
院内に、血糖値とHbA1C(ヘモグロビンエーワンシー)を10分で検出できる装置を設置しており、迅速な血糖コントロールの評価が可能です。
※ HbA1C…過去1~2ヶ月間の血糖値の状態を知る指標
血中脂質異常とは、血液中に含まれるコレステロールや中性脂肪などの脂質が一定の基準より多くなり、血液がドロドロになった状態のことを言います。血液中の余分な脂肪が多くなると動脈硬化を起こしやすくなり、心筋梗塞や脳卒中などのリスクが高くなります。
LDLコレステロール (悪玉コレステロール) | 140 mg/dl以上 | 高LDLコレステロール血症 |
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120~139 mg/dl | 境界域高LDLコレステロール血症 | |
HDLコレステロール (善玉コレステロール) |
40 mg/dl未満 | 低HDLコレステロール血症 |
中性脂肪 (トリグリセライド) |
150 mg/dl以上 | 高トリグリセライド血症 |
non-HDLコレステロール | 170 mg/dl以上 | 高non-HDLコレステロール血症 |
150~169 mg/dl | 境界域高non-HDLコレステロール血症 |
「動脈硬化疾患予防ガイドライン2017年版」より
動脈硬化を進めないようにすることが大切です。
そのためには
とはいえ、これまで続けてきた生活習慣を改善するのは難しいものです。
また、上記の診断基準から、どのようなプログラムで改善していくかは患者さん1人1人違ってきます。
医師と管理栄養士の指導のもと、食事指導や体重コントロールを行う「ダイエット外来」を設けています。
ご自分のコレステロール値がどのステージにあるのかなどお気軽に内科までご相談ください。
高尿酸血症とは、血液中の尿酸値が7.0mg/dlを」こえている状態を指します。
この尿酸が過剰になった状態が続くと、足の関節などに尿酸の結晶が沈着して、急激に関節に激しい炎症を引き起こします。
その痛さは、「風が吹くだけで痛む」と形容されるため、「痛風」と呼ばれます。
痛風の前兆として、患部の違和感やむずむずした感じを訴える人が多いと言われています。
前兆段階で治療できなかった人は通常24時間以内に痛さのピークを迎えます。
痛風発作は耐えがたいほどの激痛で、日常生活が困難になる人もいます。症状は1~3日で静まる場合が多いです。
高尿酸血症は、アルコールや肉を多く摂取するといった生活習慣と密接に関連していると考えられています。
こうした生活スタイルは高血圧、脂質異常、糖尿病、肥満などとも関連しており、動脈硬化を進行させないためにも、治療をする必要があります。
また、尿酸値が上がる原因として腎臓からの排泄低下・尿酸の産生増加・遺伝的要素・利尿剤の内服・がん細胞などが関与しているケースもありますので、決して自己判断せず、一度内科へご相談いただくことをおすすめします。
〇 | × |
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シグナルを受け止め病院へ 適切な治療を受け、生活改善に努める |
もう痛くないから治った 忙しいし病院はいいか |
貧血とは、体内の酸素を運ぶ役割を持つHb(ヘモグロビン)の量が少ない状態をいいます。
WHO判定基準では、Hb値が男性13 mg/dl以下,女性12 mg/dl以下が貧血とされています。
貧血になると、全身が酸素不足の状態に陥ります。
しかし、ゆっくり進行した貧血では、これらの症状に慣れてしまっている場合があります。
自覚症状がないからと放っておくと、心臓は酸素の少ない血液を体に行き渡らすためにオーバーワークとなり、やがて心筋梗塞などの深刻な病気を引き起こします。
貧血の原因の1つとして挙げられる
も随時受けていただき、貧血に対して多方面から患者さんを支えていきます。
貧血を指摘された方、ぜひ一度当院内科へご相談ください。
甲状腺はノドボトケの下にあり、ちょうちょのような形をしています。
甲状腺ホルモンの分泌に異常が起きたり、炎症が起きたりするのが、甲状腺の病気で、いずれも女性に多いのが特徴です。
甲状腺ホルモンの分泌が過剰になっている状態を甲状腺機能亢進症といいます。
甲状腺ホルモンの分泌が足りなくなっている状態を甲状腺機能低下症といいます。
甲状腺機能亢進症による症状 | 共通する症状 | 甲状腺機能低下症による症状 |
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・暑がりである ・脈が速い ・微熱がある ・汗が異常に多い ・手足が震える ・イライラする ・眼球が出てくる ・眠れない |
・だるさを感じる ・疲れやすい ・髪の毛が抜ける ・甲状腺が腫れる |
・寒がりである ・脈が遅い ・顔、全体がむくむ ・気力がない ・物忘れが多い ・便秘がち ・筋力の衰え ・眠気を感じる |
細菌やウイルスが原因で甲状腺に炎症がおきたり、甲状腺ホルモンの分泌異常から慢性的に炎症がおきることがあります。
甲状腺腫瘍の8~9割は良性のものですが、悪性のものとの鑑別のためにも、首の腫れや飲み込み時の違和感などあれば、放置せず受診をおすすめします。
甲状腺疾患は女性に多いことと、症状が更年期障害と似ているため、婦人科疾患との鑑別も大切です。当院では婦人科と甲状腺専門外来と連携し、患者様をサポートいたします。ぜひ一度、ご相談ください。
アルコールや薬剤、ウイルス、肥満などが原因となり肝臓の働きが障害されている状態です。
血液の肝機能項目で異常値を示している場合、放っておかずに必ず受診しましょう。
原因を突きとめ、正しい治療をうけることが大切です。
原因が食生活の乱れや運動不足だった場合
当院では管理栄養士と連携したプログラムで、健康な肝臓を取り戻すお手伝いをいたします。まずはお気軽にご相談ください!
自覚症状が出る頃にはかなり進行していることが多いので、定期的な健診で肝機能に問題がないか確認しましょう。
肝臓は「沈黙の臓器」といわれ、障害が起きていても、ひどくなるまでほとんど自覚症状が出ません。血液の肝機能項目で異常値を示している場合、放っておかずに必ず受診しましょう。